春季カンファレンス
conference
【ご案内】新型コロナウイルスの流行状況により、集会は困難であると考え、ワークショップ・午後の講演ともにWEB開催に変更いたしました。
当日の京都烏丸コンベンションホールにはカンファレンスの運営に関係する方以外の来場をお断りします。
~外来小児科の未来を語ろう~
春季カンファレンスは、午前にワークショップ、午後にそのまとめと、講演を2題用意しました。
新型コロナの流行は、自分たちの仕事を見直すきっかけになりました。
外来小児科はどう変わるのか、どう変えなければならないのか。ワークショップで議論をしましょう。
日時 | 2021年4月4日(日曜日)午前10時から午後4時 |
---|---|
場所 | WEB開催 |
プログラム
小児科外来現場には?がいっぱいあります。私たちは、本を読み、話を聞き疑問を解決してきました。
しかし、講義による学習定着率はわずかに5%にすぎません。多くを聞いても多くは忘れてしまいます。
日本外来小児科学会はワークショップを重視してきました。
「何か一言話すこと。」討論に参加することで、学習効率は10倍に増えます。
こんどの春季カンファレンスは、学会の原点に帰り、今私たちが抱えている課題をワークショップ形式で議論します。
WEB開催 10:00~12:00 |
拡大ワークショップ in Kyoto ~外来小児科の未来を語ろう~
各テーマの内容は下記に記載 |
---|---|
13:30~14:00 | 拡大ワークショップのまとめ |
14:00~15:00 | 講演1:新型コロナにどう対応したか 糸井利幸 先生(京都府健康福祉部 健康福祉部長) |
15:00~16:00 | 講演2:新型コロナで変わった子どもたちの日常 半谷まゆみ 先生(国立成育医療研究センター 社会医学研究部) |
事前登録について
2020年12月1日 20時から以下のボタンで事前参加登録を受け付けます。
-
WEB参加費:3,000円
【ご案内】
開催方式の変更前に、既に参加登録された方には、お申込みはこのまま継続としますので、新たな手続きは不要です。
会期が近づきましたら、メールにて視聴用のURLやアカウント情報をお届けいたしますので、しばらくお待ちください。【注意】
・既に「現地参加」でお申込みいただいた方は、WEB上のワークショップでも発言していただくこととします。
・一方、既に「WEB参加」でお申込みいただいた方は、聴講のみとなります。- 今後の現地参加(WEBでの発言可能)の申込みは、1月25日正午で締め切ります。
WEB参加は、3月27日が締め切りになります。
なお、今後現地参加希望でお申込みいただきました皆様には、別途ご案内を申し上げます。
※WEB開催のため、現時点で小児科学会専門医更新単位付与の予定はございません。
ワークショップ(WS)参加について
Web会議サービス「ZOOMミーティング」によりWSを開催する予定です。
春季カンファレンス「ZOOMミーティング」参加方法は下記のページ(IDパスワードが必要)から参照ください。
ZOOMにて発言を希望される方は、2021年1月25日正午までにお申し込み下さい。
それ以降のWeb参加を申し込まれた場合は視聴のみとします。聴講参加のみとなりますが、複数のWSをのぞいてみることが可能です。
Web会議とはなりましたが、WSの雰囲気をぜひ味わってください。参加申込みされた方に、メールにてURLやアカウント情報をお届けいたします。
会場参加 申込み開始 |
2020年12月1日 午後8時から |
---|---|
参加区分:現地参加 (既に申し込まれた方も、 WEBからWSでの発言は可能です。 実際には現地参加ではありません。) |
2021年1月25日正午 |
WEB参加 (これから申し込まれる方は、 WS参加は聴講のみとなります。) |
2021年3月27日 |
※参加申込みに関する問い合わせ
第30回日本外来小児科年次集会事務局(株)コンベンションリンケージ 30th_sagpj@c-linkage.co.jp
ワークショップ(WS)の紹介
① 減らすだけでいいのかな? 抗菌薬適正使用のレベルアップを目指そう
■リーダー 有瀧健太郎、土田晋也
外来小児科学会では、以前より抗菌薬適正使用に関するシンポジウムや提言を行ってきました。また抗菌薬適正使用加算が認められるようになり、抗菌薬適正使用の考えは広く普及し、もはや議論の余地はないとお考えの方もいるかもしれません。
しかし実際の診療において、抗菌薬の使用にはまだ違いがあるのではないでしょうか?
例えば、中耳炎・副鼻腔炎の抗菌薬使用頻度であるとか、伝染性膿痂疹の経口抗菌薬の使用頻度には個人差が多くあると考えています。
加えて新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、診療のスタイルの大幅な変更を余儀なくされました。発熱・咳嗽に対する保護者の不安が今までになく強いことや、迅速検査を気軽に施行しにくい事などから、結果として抗菌薬処方の閾値が下がる事も懸念しています。
我々は、抗菌薬の使用をただ減らすとか、診療行為の制限があるから抗菌薬の処方がいたずらに増えることなく、withコロナ、postコロナを踏まえて、患者さんにとって不利益にならない適切な抗菌薬使用が重要と考えています。
★本WSは、参加登録をいただいた方に事前アンケートをお願いいたします。その結果に基づきテーマを選択してWSを行う方法で行います。
②「離乳食」についての巷の情報を検証してみよう
■リーダー 岡田清春、瀬尾智子
「授乳・離乳の支援ガイド」が2019年3月に改定されました。アレルギーに関する記述など、改定された部分はありますが、全体としては平成19年のものとの大きな違いはありません。
保健所や保健センターなどでの「指導」は、今後、2019年改定版を元にされて行くことになるでしょう。
一方、子育てをめぐる環境はどんどん変化しています。かつては育児本などが主であった「離乳食」についての情報収集は、今ではインターネットが中心となっています。
また、家庭の調理能力も、味噌まで手作りから米飯を炊いたことがない家庭まで、バリエーションが広がっています。
以前のような「米粥」や「出汁」から始める一律の「指導」では、実践困難なことがしばしば見られます。さらには、成長発達に必要な栄養素も不足しがちです。
このワークショップでは、巷に溢れる雑誌、育児本、インターネットなどの「離乳食」に関する情報を参加者に集めてもらい、その科学的妥当性や実行可能かどうかについてディスカッションします。
参加申し込み者にあらかじめワークシートを配布して記載してもらい、それをたたき台にして話し合って、今後の乳児栄養支援を考える上の参考にしていきましょう。
コロナ禍により開催が一年延期され、従来の皆が集まっての議論も難しくなっていますが、逆にオンライン聴講も可能となりました。ふるってご参加下さい。
③ プライマリ・ケアでできる食物アレルギーへの対応を考える
■リーダー 井上徳浩、西村龍夫
食物アレルギー患者が多い今、日常診療の場で離乳食について開始や進め方に保護者が不安を持ち、それについて問われることも多くなっています。
過去には血液検査を根拠に除去指導される診療も多かったですが、最近ではできるだけ早期から摂取すべきという考えに変わりつつあります。
こうした変化から、すべての医療機関で適切な指導が行われているのか、今後まだ変化していくのかなど、プライマリから専門まで含めれば小児科医の間でもまだ完全な統一は難しいように思われます。
その食物アレルギーは経皮感作によって始まることが分かってきました。予防という考えも出てきました。また早期の湿疹に対する適切なスキンケアにより、感作との関係で食事摂取を開始しやすくなるとも考えられ始めました。つまり、食物アレルギーのこれからは、これまでの自然経過から変わってくるかもしれません。
今回これらの事実を整理し、プライマリ・ケアで、今あるべき食物アレルギー診療について考えてみる機会としてこのワークショップを用意しました。
④ これも在宅医療!?
~多職種からのケースレポート~
■リーダー 藤井雅世 福田弥一郎
小児在宅医療に関わる職種は医療・福祉・教育など多岐にわたり、在宅医にはそれら多職種と連携しコーディネートする力が求められます。
小児の在宅医療では、自宅に訪問診療に行くことはもちろん重要ですが、訪問せずにできることもあります。
今回の拡大ワークショップの前半では、ケースレポートを通じて連携する多職種(病院医師、訪問看護師、セラピスト(訪問リハ等)、相談支援専門員など)の仕事内容や関わり方について学び、在宅医の具体的な役割を参加者同士で議論し共有したいと思います。
また後半の部では、近年の災害の多発や今回のパンデミックを受けて災害や感染症流行時の対応についても取り上げます。
症例報告やディスカッションに参加して下さる方(もちろんネットでのご聴講だけでもOK!)を募集しております。多くの方々のご参加をお待ちしています。
○症例報告(予定)
- 学童期小児がん患者の在宅看取り例(相談支援専門員)
- 自閉傾向の強い重症知的障害児への訪問リハの経験(理学療法士・臨床心理士)
- 自宅での医療機器管理、震災対応など(臨床工学技士)
- COVID-19流行下における訪問診療(在宅医・訪問看護師) など
⑤ 日常診療における子育てへの関わり
~かくれた育児困難を探る、気づきのポイント~
■リーダー 高屋和志 青木才一志
人の子育ては、子どもを社会生活の次の担い手として育てるために多大な手間と時間を要しますが、現代は少子化に加え、子育ての個別化と地域社会からの孤立により育児困難をかかえる家庭が多いと考えられます。
またこの度のCOVID-19流行により経済的困窮や孤立が進行する場合もあり、不安な子育て生活の中で育児困難から育児失調へ至ってしまう家庭が増えるのではないかと危惧されます。
小児科外来受診は親子が社会とつながる大切な機会であり、家庭での子育て環境を視野に入れた対応が必要ではないでしょうか。
育児困難の要因を理解し、小児科外来で接する中での気づきと支援のポイントを学ぶことで日常診療がより豊かでやりがいのある場になると思います。
ワークショップの前半で小児科外来での子育てへの関わりについての実践あるいは想いを参加者の皆さんに発表していただき、ディスカッションします。
後半では育児困難の要因について子ども、親、社会等をテーマにディスカッションを深めていきたいと考えています。
このワークショップが小児科外来の可能性を広げるきっかけになることを願っています。